羊とグアナコ―その刹那の遊宴

真夏の盆踊り―「健脚ブリーフ」

【「健脚ブリーフ」のPro Toolsミキシング画面】
前回の「ブリーフマン改め『健脚ブリーフ』」の続きとなりますが、ド迫力なビート・サウンド「健脚ブリーフ」が完成しましたので、無料公開中です。ホームページのテクストに書いてあるとおり、この曲はブリーフ姿の若者達の、“盆踊り”がモチーフとなっています。

Roland JD-Xiでダビングしたシンセ・ベースは、レコーディング中にはさほど意識せずに演奏しましたが、やはりミキシングの段階で、このベースが肝になるなと思い、まさに“もっこり”としたボリュームのある低音にこしらえています。他の曲のミキシングと同様、この曲のミキシングでも、UADのSSL 4000Eチャンネル・ストリップを挿して、コンプとEQをいじっています。トータルとしても、超低音は大きくカットしている反面、100Hzは持ち上がっているという構造になっています。

【ディレイ・エフェクトのREPLIKA】
同じくダビングしたパートでは、JD-Xiの“House Hit”をメロディ・フレーズの代用とし、これにNative InstrumentsのREPLIKAというレゾナンスの利いたモジュレーション付きのディレイ・エフェクトをかまし、左右に振っています。REPLIKAはとても面白いエフェクトです。ここでのディレイも大袈裟に聴かせたくなるサウンドなんですが、リズムとのバランスを考慮し、レベル的には、“聴こうと思えば聴こえる”程度に抑えています。
ミキシングという作業をやっていると、どの音も聴いてもらいたい!という欲求が強くなり、個性のあるパートほどレベルを上げ気味になるのですが、要はトータルのバランスが問題で、主役と脇役の役割はやはり踏まえるべきなのです。「健脚ブリーフ」における主役とは、リズム・パートであり、シンセ・ベースです。

[Dodidn*]のサウンドでは常に、レコーディング・フォーマットは32bit浮動小数点/96kHzを採用しています。こういった曲になると、たちまちその高密度でハイ・サンプリングの旨みがメリットとして表れてくると思います。
その具体的な部分としては、やはりシンセ・ベースの分厚いサウンドの中に潜んでいる柔らかさであったり、中低域の密度感であったり、ヴォコーダー・サウンドの伸びやかさであったり、そうしたところの表現が、ハイレゾの特徴になるかと思います。
しかし実際配信されているサウンドは、ダウン・コンバートされた16bit/44.1kHzなのです。そう言われなければ、ハイレゾのサウンドかと勘違いするかも知れません。これはテクニカルな問題ですが、きちんとしたやり方を踏まえれば、ダウン・コンバートしてもハイレゾのいい部分はしっかりと残ります。ヘタなやり方をすると、ダウン・コンバートした時点でそれらを失います。

「健脚ブリーフ」は、小型シンセOP-1でベーシックなリズムを打ち込み、レコーディングの際にそれに合わせてJD-Xiのパートを演奏=ダビングしただけの、ちっぽけな曲です。ノンMIDIです。その緊張感溢れる醍醐味を、この真夏に味わっていただけるとありがたいです。

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