プチ・ソング「人間」の人間哀歌

スーブニールの具象化―「Whose Is The Wristwatch?」

【Shadow Hills Mastering Compressor】
OP-1とminilogueシンセによる共謀スーブニール―「Whose Is The Wristwatch?」SoundCloudより無料配信しています。

このブログにおいても、私はレコーディングやミキシングについて語る時、「音像」という言葉をよく用いますが、これは言わば聴覚によるコントラスト(contrast)とも解釈でき、2chステレオにおける音の定位、音の強さ、空間性やそれぞれの音の質感などの総合芸術を指します。各パートのレコーディング時では、単にレベル合わせをするだけではなく、EQやコンプを用い、この「音像」の下地となる「音の出音の形」を作る目的というか意図もあるのです。

【Brainworx bx_digital V3 EQ】
そうしてレコーディング時で下地を整えておいた各パートを、さらにミキシングではEQやコンプを用いてお化粧をするということになります。当然、各パートではリバーブやディレイ、モジュレーション系などのエフェクトが加味されることがあるので、それによって「音の出音の形」が変化しているので、ミキシング時でのEQやコンプはさらに重要になってきます。
ただし、レコーディング時で作られた「音の出音の形」は下地として当然ながら残存します。音を作っていく過程は、常に非可逆的です。というか音楽の構築(演奏のセッションも含めて)自体が、非可逆的なものなのです。
これがもし、意図した音にならず、元に戻したい欲求に駆られたならば、レコーディングからやり直すことになるわけですが、ちょっと音の出音のニュアンスが意図と違ったとしても、それをうまくミキシング時で料理する知恵を、身につけておくべきです。何度も言うように、音楽に関わる才能には、常に非可逆的なことに対応できる強靱な耐性(忍耐力)が必要なのです。

【Waves L1 Ultramaximizer】
さて、今回の曲より私は、マスター・トラックにおける処理のためのプラグインを、抜本的に変更しました。前段からUADのShadow Hills Mastering Compressor→Brainworx  bx_digital V3 EQ→WavesのL1 Ultramaximizerです。
ほとんどマスタリングに近い処理をここでのマスター・トラックでもやってしまっています。もちろんこの後、生成されたマスター・ファイルはさらにOZONE 8でマスタリング処理しましたが、そこでの処理はかなり軽微なものになります。
こうしたマスター・トラックにおける処理の在り方は、単にこれまでの旧態依然としたトータル・コンプ的なレベル合わせにとどめるのではなくて、より積極的な全体の音のイメージづくりをした方が効率的にもいいのではないかという発想に基づいています。その分、OZONE 8では本当に微調整的な処理だけで済みました。

さあ、では、がっつりとパワフルな「Whose Is The Wristwatch?」を聴いてみて下さい。↓↓↓

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