プチ・ソング「人間」の人間哀歌

「Flower's Topology」というかたち

【Waves SSL E-Channel】
前回に引き続き、先週完成した「Flower's Topology」のミキシングとマスタリングについて。

UADのDSPプラグインNeve 88RSチャンネル・ストリップでしっかりとコンプレッションするというお膳立てのもと、アプリ[Bloom]によるインプロヴィゼーションのパフォーマンスを1テイク・オンリーで録ったオーディオ・クリップは、ミキシングではWaves SSL E-Channel(SSL 4000E)のチャンネル・ストリップで程よくアタックを頭打ちしました。とにかく[Bloom]のサウンドはピーク成分が多いので、それとの格闘となります。

このサウンドには、適度な残響を付加すべく、私が好んでよく使うSonnox「OXFORD REVERB」のプリセット“EMT 140 2.4sec”で余韻に潤いを持たせました。この時、残響の余分な低域は少しカットしています。なので、もし[Bloom]をiPhoneなどで直接聴いたことのある人は、「Flower's Topology」での余韻あるサウンドとの違いに気づかれるかも知れません。しかもこの“EMT 140 2.4sec”が実に独特で、まるで地平のどこまでも響き渡るかのような静謐な余韻に、思わず身体が震えてしまいます。

マスター・トラックでは、SLATE DIGITALの「VBC FG-RED」、「SSL E-Channel」、Waves「J37 Tape」でサウンドを微調整しつつ、最後段にはWaves「L1 Ultramaximizer 」でほんのわずか1.0dBほどリダクションしてリミッティングし、ミックスのマスターとしました。

【OZONE 8。EQのMidの調整】
今回の曲よりマスタリングでは、アップグレードしたiZotopeの「OZONE 8 Advansed」を採用しましたが、使い勝手に不備はなく、サウンドにおいても信頼がおけます。長年このシリーズを使い続けていればこその、培われてきた安定感があります。「Flower's Topology」は、Mid/Sideを駆使して、サイドはより高域が伸び、歪み感が増した状態とし、音が左右に流れて響く瞬間にその広がり感が強調されるよう、EQやExciterを調整しています。これも直接[Bloom]アプリのサウンドを試聴したことのある人なら、音像の聴こえ方がまったく違うことが分かると思います。

【同じくEQのSideの調整】
ところで、ホームページの本文には仏具の鈴(りん)のことが書かれていますが、これもまた、もし実際にそれを使った今回の曲のようなものを作ろうとしたら、たぶん難しいでしょう。実際の鈴の音はもっと貧弱で、[Bloom]のサウンドのような倍音をたっぷりと含んだ音ではありません。しかしこの曲を聴いて、万物の死相といったもの、あるいは死者との対話といった意味で仏具の鈴を想像されるとしたら、「Flower's Topology」の醍醐味は充分に味わえたと言っていいでしょう。
是非、「Flower's Topology」の極上なる《癒し》の世界を聴いてみて下さい。

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