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ヴォーカルのテスト・レコーディング

【Precision Channel Stripプラグイン】
昨日、ヴォーカルのテスト・レコーディングをおこないました。テスト・レコーディングとは、マイクロフォンのセッティングからコンプやEQの基本的な設定、それらの結果が実質的にどう出力されオーディオ・クリップとなるかの実験であり、今後ヴォーカル録りをおこなう際の“ひな型”とするための大事な作業です。
今週おこなわれたオリジナル曲「Gender」のヴォーカル録りでは、この基本設定となる“ひな型”がなかった(当ブログ「『Gender』―僕は何者?」参照)ので、その設定に手間取った挙げ句、混乱をきたす恐れがあったため、ノンエフェクト処理でオーディオ・クリップにしました。個人的な経験としてはとても希なことです。

【UNIVERSAL AUDIO Console 2】
テスト・レコーディングで使用したマイクロフォンは、audio-technica AT4047/SV。性能としてもサウンドとしても信頼のおけるコンデンサー型ですが、これをマイクプリAVALON DESIGN M5に通し、ロー・カット処理をしておき、UNIVERSAL AUDIO apollo FireWireに通してConsole 2ソフトウェアを立ち上げ、プラグインPrecision Channel Stripをインサートしました。まずここでは、このプラグインに通す前のレベル管理がとても重要になります。

ヴォーカリストによっては、かなりマイクロフォンと至近距離で声を発する人もいれば、私のように20~30cm離れて歌う人もいて、それによってプリアンプ側のレベル調整やConsole 2での入力レベルのさじ加減を調節しなければなりません。もちろんマイクロフォンの感度にもよります。完璧な適正設定というのは不可能ですが、ある程度、同じセッティング状況を作り出すことができれば、すぐに本番のレコーディングに挑むことができ、パフォーマンスでのパッションが削がれることはないでしょう。

入力レベルの管理がうまくいったならば、コンプ&EQ掛け録りの設定調整となります。UNIVERSAL AUDIOのPrecision Channel Stripは、5バンドEQと基本的なコンプの組み合わせであり、テキパキと調整することが可能です。私は今回、標準的なヴォーカル用コンプレッションの設定値を調整してデモンストレーションをおこなったところ、掛け録りとしてはたいへん落ち着いた癖のない結果が得られたので、Precision Channel Stripでの設定としてはそれを新規にプリセット保存して“ひな型”とすることにしました。

AT4047/SVマイクロフォンの音色は比較的、高域が抑えられていて、中域に独特の湿り気が感じられます。他のコンデンサー型だと、もう少し高域が伸びていたり、中域が持ち上がっていたりして、掛け録りの段階で8~10kHzあたりをEQで“ほんのわずか”削ろうということもあるのですが、Precision Channel Stripでは、バンド幅の調整やゲイン調整がきめ細かく可変できるので、プリセット保存しておくととても便利です。“ほんのわずか”の調整ができ、しかも5バンドというのはEQを選ぶ時、かなり選択肢が狭められてしまいますが、このPrecision Channel Stripはすごくいい選択になる、と思います。

それから本来、ヴォーカルのテスト・レコーディングでは、モニター返し用のリバーブのテストをおこなうべきなのですが、今回は省きました。

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【新たに導入したOverloud EQ495】
そしてもう一つ、これはテスト・レコーディングの話から外れ、ミキシングでの話になるのですが、今制作よりミキシングにおけるヴォーカルの処理では、新たに導入することにしたOverloud社のEQ495という、ドイツの伝説的なビニール・トランスファー・コンソールの5バンドEQを使用することにしました。見た目、とてもカラフルですが、ヴィンテージの堅実な効果をもたらすことでしょう。

ソング・ミュージックにおいてヴォーカルの音色とそのニュアンスを引き出すことは、レコーディングの段階で施さなければならない重要課題となります。そのための円滑な作業をおこなうレコーディング用“ひな型”の価値は高いと思われます。ヴォーカルはソング・ミュージックの顔になるわけですから、今回のようなテスト・レコーディングは定期的におこなった方がいいのです。

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