『Gの洗礼』を大転換!

「悲しみのバルテュス」―その飛翔のために

チューブマイクPeluso 22 47
「舞踏のための音楽プロジェクト」。先日、「悲しみのバルテュス」(Balthus de tristesse)のヴォーカルのリレコーディングをおこないました。

昨年末に制作したこの曲は、パリ同時テロの鎮魂歌として、まったく非力ながら一心不乱に歌に思いを込めた小曲なのですが、パリでは、今なおテロの脅威で警戒が続く中、宗教の壁を乗り越えようと、市民レベルでの協調的な対話や語り合い、お互いを理解するための、“共生”へのボランティア活動が広がっていると聞きます。憎悪ではなく連帯の輪が広がることを期待します。

今回、「悲しみのバルテュス」をもう一度歌い直そうと思ったのは、当時あまりにも個人的な思惟のみの解釈でレコーディングしたことを反省し、よりこの曲が普遍的なものとなるよう、そのヴォーカルの様相(フォルム)を整えたいと思ったからです。
この考え方に至る過程においては、1年に及ぶ間、自身のヴォーカルのブレスの改善であるとか発声の仕方の修正に取り組んだ経緯があり、またオーディオ・インターフェースを替えたことによるヴォーカル・レコーディングの改善といった部分も影響があります。いずれにしてもそれらを「悲しみのバルテュス」で体現しなければならないと思いました。

昨年のヴォーカル・レコーディングの時にこだわっていた、“パンチイン/アウトを一切しない”という個人的なルールは採用しませんでした。しかしだからといって、継ぎ接ぎだらけのヴォーカルで整えようとも思いません。あくまで自然な成り行きで、不慮のミスを取り除く意味でのパンチイン/アウトならオーケーという柔軟な姿勢で臨みました。結果的には、2~3テイクほどをOKテイクとし、僅か一回のみパンチイン/アウトを施しただけで済み、この曲に対する気概と集中力は、決して失っていないと実感しました。

UA 1176LN Legacy
マイクロフォンは前回と同じ、コンデンサー型チューブのPeluso 22 47で、こうしたふくよかなニュアンスが必要な歌には最適な選択です(ちなみにマイクプリは、AVALON DESIGN M5)。
前回と異なるのは、オーディオ・インターフェースがUNIVERSAL AUDIO apollo FireWireになり、Consoleソフトウェアを通じて、UADのプラグインのUA 1176LN Legacyでヴォーカルに基礎的なコンプレッションを施したことです。
このUA 1176LN Legacyを通したヴォーカルが、また実にアナログっぽくて質感がいい。このコンプがあれば、如何様にもヴォーカルの音色とレンジを変えられるなあという印象で、たいへん重宝します。こうしたプラグインをレイテンシーを気にせず使えるというのは、本当に素晴らしいことです。

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