プチ・ソング「人間」の人間哀歌

「肖像」のマスタリングについて

【ヴァージョン・アップしたWaveLab Pro 9】
ピアノ曲「肖像」のマスタリングについて説明したいと思います。

[Dodidn*]の音楽ではほぼすべて、32bit浮動小数点/96kHzでPro Toolsにてレコーディングをおこない、2chステレオにミックスダウンしています。ミックスはアナログ出力でTASCAM DA-3000に落とします。この時のミックス・ファイルは、24bit/96kHzです。

以前はそのミックス・ファイルをPro Tools上でマスタリングしていましたが、結局最終的にSteinberg WaveLab Proで様々なファイルに変換する必要があるので、WaveLab Proだけでマスタリングできないかなと思ってはいたものの、以前はあまりそのソフトウェア内のツールに魅力を感じていませんでした。
ところがヴァージョン・アップしたWaveLab Pro 9は、ついに強力なマスタリング・ツールを搭載した画期的なヴァージョンとなり、これによってミックス・ファイルをWaveLab Pro 9でマスタリングした方がいいという結論に至りました。無論、ピアノ曲「肖像」はWaveLab Pro 9を使ってマスタリングした作品です。

【MasterRigの4バンド・コンプレッサー】
ヴァージョン・アップしたWaveLab Pro 9のGUIは、視覚的にすっきりとして使いたいツールがとても分かり易く表示されています。ここで重要なのはWaveLab Pro 9で初めてM/Sの切り替えに対応したことです。
先ほど強力なマスタリング・ツールといったのは、MasterRigのことで、イコライザー、コンプレッサー、サチュレーター、イメージャー、リミッターのモジュールを連結させてダイナミクスと音質を整えることができます。

【リミッターのモジュール】
「肖像」のマスタリングでは、基本的にミックスの音像や音質を大きく変えたくないと思ったので、MasterRigの4バンド・コンプレッサーのこまかな設定による微妙な味付けであるとか、リミッターのBRICKWALLとMAXIMIZERの2つのモードの選択はとても大事な役割を果たしてくれました。
この曲ではBRICKWALLを選択して、それなりにゲインを上げているにもかかわらず、ミックスでのダイナミクスの印象をあまり崩さず、ナチュラルな感じを保ってくれたことに驚きました。ピアノのソロを一般のマキシマイザーを使って音圧上げをすると、粒が揃いすぎてしまい、印象が変わってしまうものなのです。しかし、MasterRigのリミッターのBRICWALLモードはそうならず、EDMだけに限ったリミッターではないなということが分かります。
私はミキシングの段階で、全体の音像や音質を可能な限り整えておきたいと思う方なので、「肖像」のマスタリングではとくに大きくEQやコンプでいじることはありませんでしたが、もし仮にいじる場合においても、MasterRigは安心していじれるなという気がします。とても信頼感があるのです。

こうしてマスタリングされた「肖像」の最終ファイル=マスター・ファイルは16bit/44.1kHzであるにもかかわらず、ハイレゾの旨みを凝縮したまま、何も崩れていないことに驚きます。厳然とダウンコンバートされているのに、あまり印象が変わらないというのはすごいことだと思います。これが言わば、WaveLab Pro 9の最大の特徴かも知れません。ジャンル問わずでどんな音楽でも対応できるでしょう。

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