アルバム『Gの洗礼』は空前絶後の大傑作アルバムに?

状況音楽としての「Présence」

OP-1を使ったサウンド・インスタレーション第7弾は「Présence」です。

この曲に関しては、サウンド・インスタレーションの企画のジングル的な味わいから逸脱して、カミュの小説『異邦人』の状況音楽に徹しています。言い換えれば、OP-1のサウンドが主たるテーマではなく、あくまでOP-1はそれを演出するための一装置に徹しているということになります。

これまで一貫していた、Pro Toolsのマスター・トラックにインサートしていたEMI TG12345を排し、SSL 4000Eのチャンネル・ストリップに変えている点でもサウンドの特色が違うかと思われます。EQの仕方の違いもあるのですが、EMI TG12345はもっとざらついたサウンドであり、それがOP-1らしさを際立たせてもいたわけです。

またこの時期、来年のオリジナル・アルバム制作のために様々なサウンド・アプローチの実験やテストをおこないたいという隠れた目的があって、「Présence」の制作にもそうした実験が含まれていました。
例えば、チャンネル・ストリップのEMI TG12345とSSL 4000Eのサウンドの相違点、あるいはSSL 4000EならこういうEQが施せるがEMI TG12345ではここまで突っ込んでEQできない、などの処理上のメリット&デメリットといった実験的成果を集積し、アルバム制作に活かすというスタンスを取っています。

「Présence」では後半、ヴォコーダー(Roland JD-Xi)を使ったヴォーカルが入ってきますが、OP-1の本来のサウンドはもっとタイトでアタックが強いので、ヴォーカルの周波数帯域と重なる部分が多く、OP-1サウンドの中高域を抑え、ヴォーカルの中低域をやや持ち上げてヴォーカル・サウンドを前に出すというEQが施されています。すなわちOP-1サウンドをバッキングに徹するためのEQ処理ということになります。

サウンド・インスタレーションの趣旨では、OP-1のキャッチーなサウンドがとてもジングルに向いている、ということなのですが、バッキングに徹したOP-1もなかなか個性的で、こうした状況音楽という特殊な制作でもかなり活用できるでしょう。

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