マスタリングで変わる空気感

【OZONE 6におけるマキシマイザー設定】
前回の「ダイナミック・レンジという魔物」の稿で述べた“5曲でファースト・ピリオド”という話を覆し、「OP-1を使ったサウンド・インスタレーション」の第6弾曲「I'm Sorry,Blue Sky」を急遽アップしました。ちなみに今回の曲から、作業DAWがPro Tools 12になっています。

そのマスタリングの話で問題になっていた部分を改善したのが、「I'm Sorry,Blue Sky」です。これまで通り、マスタリングでのプラグインはIK Multimedia Master EQ 432→iZotope OZONE 6という流れになっていますが、設定・調整箇所がそれまでの5曲と幾分違っているのです。

この曲のマスタリングでは、懸念していたマキシマイザー・モジュールでのOut Ceilingの値を「-0.1dB」に設定し、Transient Emphasisを200に設定しているのが大きな違いで、単にリリースのキャラクター数値を変えるだけでなく、そのニュアンスはアタックが残った感じになるようにしています。

【マスタリングEQとして欠かせないMaster EQ 432】
それ以外の違いでは、コンプレッサー・モジュールで中域を僅かに締めつつ持ち上げている点と、Master EQ 432で85Hzを+0.5dB、8.5kHzを-0.5dBにして中低域及び中高域のバランスを整えている点です。
このことで結果的に、同じOut Ceiling値-0.1dBであっても、「Red Beans」より「I'm Sorry,Blue Sky」の方がアタックが残っているかと思います。

もしこれが一連のコンセプト・アルバムであるならば、当然マスタリングの方向性は同じベクトルを向いていなければなりませんが、現時点で「OP-1を使ったサウンド・インスタレーション」は個別のマスタリングという解釈で、設定及び調整の方向性はそれぞれ別になってしまっています。敢えてこれらのサウンドの違いを確認できるよう、このままの状態に残しておこうと考えます。

しかし数年前までは、私自身、マスタリングツールはどれを選択すべきなのか非常に悩ましい問題であり、試行錯誤に明け暮れていたのですから、それから比べれば、今のEQ 432→OZONE 6というツールの選択はほとんどの問題を解決してくれる必須の選択であると思っています。
尤もここで生成されたファイルは、さらにSteinberg WaveLab 8.5を使ってサウンド面以外の変換処理をします。そこでの最終的なマスター・ファイル=16bit/44.1kHzであってもハイレゾの効果は存分に感じられるのではないでしょうか。

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