『Gの洗礼』を大転換!

「Figure 2.0」のミキシング

60秒ヴォーカル曲「Figure 2.0」を公開しています。

レコーディングからミキシングまでについて解説します。
前回説明した通り、この曲のピアノはモデリング・ソフトウェア音源「MODARTT Pianoteq 5 Pro」の“D4”(Steinway D)を使用し、ピアノの中域がフラットに聴こえるよう、擬似マイクロフォンとしてC414 omni(AKG C-414の全指向性)を設定して、Pro Toolsで録りました。

このバッキングに合わせるべく、ヴォーカルはどのような音色にすべきか悩んだのですが、かなりエフェクティヴな形にしようということで、これまた音色的には中域がフラットに近くなるよう、コンデンサー型マイクロフォンのLEWITT LCT 550を使用しました。

こうして前ヴァージョンと2.0を比較して聴いてみると、前者は音色的に柔らかくクラシックな趣があり、後者は明るめでポップな感じになっていて、同じピアノとヴォーカルであるのに、音色の違いによって印象が変わるので非常に面白いです。
こういったことをレコーディングの段階までに済ませておくと、後処理がとてもしやすくなります。

【Waves Reel ADTプラグイン】
ミキシングでは、ピアノに対してはJ37 Tape→SLATE DIGITAL VBC FG-MU(コンプ)→API 550B(EQ)のプラグイン処理を施し、ヴォーカルに対してはWaves Reel ADT→SLATE DIGITAL FG-401(コンプ)→FG-N(EQ)で処理しています。

Reel ADTは、ビートルズが使用したレトロなテクニカルということでもう有名ですが、「アーティフィシャル・ダブル・トラッキング」と言い、2台のテープ・レコーダーを使ってキャプスタン・モーターの速度を微妙に変化させながらミックスするフランジング効果のようなものです。

ヴォーカルの処理におけるSLATE DIGITAL FG-401→FG-Nは最近好んで使用していて、レコーディング段階までに音色が整っている場合に対しては、シンプルな処理で済みます。FG-NはまさにNEVE 1073を模しており、嬉しいことに中域が2バンド仕様になっているのです。

【SLATE DIGITAL FG-401+FG-N】
仮に音色が前段階で整っていない場合は、別のEQなどを挿さない限りFG-Nだけでは不便になってしまい、FG-Nは使えないよなーという若気の至り的な誤った批評をしてしまうことになります。
ですがFG-Nはなんとも言えないNEVEの香りのする素晴らしいEQなので、やはりマイクロフォンの選択や録りの段階でのEQ処理などでしっかり音色を決めておく必要があります。

ちなみにこのピアノとヴォーカルにうっすらとかかっているリバーブは、Sonnox OXFORD REVERBの「48 Large Chamber」プリセットです。これは前ヴァージョンと同じです。
80年代全盛の、ビデオデッキよりも大きかったLexicon 480Lですが、これを模した「48 Large Chamber」は、やはり代えがたい特性があって使う頻度が高いです。リバーブもまた種類を変えるとその曲の印象もがらりと変わってしまうので、非常に気を遣うエフェクターなのです。

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