アルバム『Gの洗礼』は空前絶後の大傑作アルバムに?

「Figure 2.0」塑像から完成形をめざす

先月より開始した「Figure 2.0」のリプロダクトを進めています(当ブログ「リプロダクト―『Figure 2.0』」参照)。

ノートへ記譜されていた簡単なピアノ譜をもとに、Steinberg Cubase Pro 8にそれを打ち込みました。手弾きです。
一昨年前にPro Toolsで即興的に弾いた時は、ある種の勢いというものがあって、全体の流れが良くも悪くも感覚に寄りかかっていました。
今回は半分冷静沈着に、全体のテンポはいかほどか? ここのテヌートは? ここのフェルマータはどれほど伸ばす? ということを考え、しかもどこでヴォーカルのメロディが入るのか分かっているのですから、あの時よりはやや伴奏的になるわけです。とは言え、私はピアニストではないので、Cubaseというテーブルあればこその戦略であり、演奏家としてのそれではないことを付け加えておきます。

ピアノのモデリング・ソフトウェア音源「MODARTT Pianoteq 5 Pro」は、もう私にとって最も稼働率の高い有力なソフトウェアです。今度の「Figure 2.0」のピアノはどれを選択すべきか、しばし悩みました。結局は“D4 Classical BA”を選択しました。

もちろんここでの選択は、あくまでCubaseでのプログラミングのための選択なのですが、レコーディング時に音源を差し替えるつもりはないので、ここでの選択が最終判断となっています。また、ペダルでの音色の変化も今回は考慮しました。

MODARTTのホームページによるとD4は、ハンブルクからSteinway Dグランドピアノを取り寄せ云々とあり、そのキャラクターがモデリングされたそうです(ちなみに本物のD-274の価格は2千万円以上です)。
私がD4を選ぶ理由を挙げるならば、どことなく“器械的”だからです。器械の音がすると――。その器械的な硬さと反響の柔らかさが絶妙で、モデリング上、ハンマーで叩かれる際の音の強弱が複雑なニュアンスを引き出してくれるのです。

CubaseにMIDI記録された「Figure 2.0」
弾こうとするテンポとCubaseのメトロノームをある程度合致させ、CubaseをRecにして走らせます。そして鍵盤で演奏します。演奏した通りのベロシティも記録されます。修整の際、ノートのタイミングやベロシティを調整するのですが、あまり酷い場合はもちろん演奏をやり直します。

Pianoteq 5 Proでは音源のアウトプットの設定で、擬似空間に設置する数種類の擬似マイクロフォンを選ぶことができます。デフォルトではU87になっていましたが、今回はC414 omni(AKG C-414の全指向性)に切り替え、中域が比較的フラットに聴こえるよう考慮しました。ずばりそれはヴォーカルの中域成分とぶつからないようにするためです。
ピアノの音像を少しワイドにすれば、ピアノの中域の出っ張りはヴォーカルにさほど影響を与えませんが、全体の音像のバランスがそれによって崩れることもあります。曲調にもよりますが、ピアノの音像がセンターに近い場合、つまりあまりワイドにしない場合、そのままでは中域成分がぶつかってしまうので何らかの後処理が必要になるでしょう。
(擬似)マイクロフォンの特性を活用して事前に音源のアウトプットを調節しておけば、この問題は解決します。今回はヴォーカルが入ることを事前に分かっているため、こういう調整をしたのです。

一昨年前にレコーディングし、昨年制作した「Figure」のピアノは直接Pro Toolsで録りました。今回の「Figure 2.0」は改めて自分がこの曲を理解するため、このように敢えてCubaseで作業しました。後日Pro Toolsでレコーディングします。

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