プチ・ソング「人間」の人間哀歌

「魚の賛歌」のマスタリング

「魚の賛歌 [2015 Special Edition]」のマスタリングについて書きたいと思います。マスタリングで使用したプラグインは、IK MultimediaのMaster EQ 432とiZotope OZONE 6です。

この曲のサウンド・コンセプトは、「透明感のある音像」で、「魚の賛歌」における《深海》だとか《海底》といった世界観を表しています。

【OZONE 6でステレオを補整する】
そうした「透明感」を引き出すためには、機材の性能が非常に重要で、言い換えればフラットであること。EQでサウンドのクセを出したり、コンプを深くかけないことが前提となります。
幸い、オーディオ・インターフェースで使用したMOTU 828xの余裕のあるレンジ感が功を奏し、クロック・ジェネレーターAntelope Audio Isochrone OCXによる高い精度でのデジタル・サウンドが、どの程度なものかを測る物差しとしても、「魚の賛歌 [2015 Special Edition]」は、極端なダイナミクス調整とイコライジングを避けた作りとなっています。

つまり、この曲に感じられる透明感と奥行きのある音像は、ほぼミキシングの段階で出来上がっているものであり、マスタリングで大きくいじられたものではありません。

ミキシングの段階では、それぞれのパートのピークを抑えつつ、ゲインアップが施され、全体の音圧はそれほど薄いものではありませんでしたが、やはりもう少し厚みが欲しいということで、マスタリングの段階で、まずOZONE 6のステレオ・イメージャーを使って低域と中高域を少しワイドにしています。
さらにマキシマイザーでは、3.0dBほど音圧を上げて、全体のサウンドの厚みを増した形にしています。ここで大切なのは、リリース・タイムを短く設定して、もともとのレンジを聴感上狭めないことです。

【Master EQ 432を使って高域を補整】
こうして全体のサウンドが分厚くなったため、特にヴォーカルの高域が少しきつくなった気がしたので、Master EQ 432で13kHzあたりをわずかにカット、そのかわり2kHzをわずかにブーストしました。

もし一昔前に、同じ手法でこうした音像を作ろうとしたら、あちらこちらでピークが0dBを超えて歪んでいたでしょう。低域から高域にかけてステレオ・ワイドに、なおかつ分厚いサウンドを作る、というのは至難の技でした。「魚の賛歌 [2015 Special Edition]」は特殊なミキシング&マスタリングの手法であると、言えると思います。

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