『Gの洗礼』を大転換!

「故郷の空」のレコーディング

先週、「故郷の空」のレコーディングをおこないました。

「故郷の空」は、明治21年『明治唱歌(一)』で発表された唱歌です。原曲「Comin' Through the Rye」というスコットランド民謡の改編であり、改編をおこなったのは奥好義、日本語歌詞は大和田建樹です。

さて、「故郷の空」のレコーディング。
一昨年に制作した唱歌「海」と同じ手法で、ヴォーカル録りはiOSアプリ[hibiku]を使用しました(当ブログ「海―その響きの世界」参照)。iPadからミキサーのMackie 1604-VLZ3に通し、MOTU 828xに入力。MOTU 828xのCueMix FXで薄いコンプ処理を施してからPro Toolsでモノ・レコーディング。すなわちここで録られたヴォーカルは、そのドライ音と[hibiku]の残響(「Church」)のモノーラルになります。

その他の音源は、Pianoteq 5 PROのBlüthner、Native InstrumentsのFM8、REACTORのROUNDSです。

曲全体の調性を少し狂わせるために、もともとト長調の曲を半音下げて変ト長調でヴォーカルを録り、もとのト長調のパッド音と変ト長調のヴォーカルを不協和させるやり方をしています。

私が幼い頃に初めて出合った「故郷の空」は、ある映画の1シーンであり、おそらくそれはト長調だったと思うのですが、それ以来私はこの曲が好きになって、この曲を口ずさむ時は必ず変ト長調でした。

Pro Tools画面。最下のクリップがヴォーカルのOKテイク
もともとのト長調のメロディにおける4小節目のG音、それから一番最後の小節のG音に対してはなんの郷愁も感じず、それをF#にした時に自然と郷愁が湧いてくる、という無意識の働きが、子供の頃にあったのではないかと思うのです。[hibiku]を使った長い残響の効果によって、自分の頭の中で描いていた「故郷の空」の詩の世界がほぼ完全に再現されています。無論、そのためにもともとのメロディを完全に崩した形となっています。

私が唱歌の取り組みで実現させたかったのは、このことであり、楽譜通りに歌うのではなく、自分の中で熟成された歌の世界、詩の世界を音として表現することなのです。

今回のヴォーカル録りは数テイク繰り返しましたが、いずれにしても残響があらかじめ付加されているのでこまかいエディットは不可能…ということで1番から2番を通して一切カッティングしないで歌い上げました。

後日、ミキシングをおこないます。

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