プチ・ソング「人間」の人間哀歌

POLYPLEXの楽しみ方

シンプルなドラム・サンプラーPOLYPLEX
先月末にNATIVE INSTRUMENTSのKOMPLETE 10をインストールして、いくつかのソフトウェアを試してみました。

ところで私が3年前に初めてKOMPLETE 8を導入する以前は、Pro Tools付属のXpand!を主に音源として使っていました。Xpand!自体、なかなか優れた音源で、これだけでも十分なクオリティだったのですが、リズム系が少し物足りない気がしたので、確かその頃KOMPLETE 8のBATTERY(ドラム・サンプラー)に惚れて、KOMPLETEシリーズを導入したのだと記憶しています。なのでBATTERY以外の同梱ソフトウェアにはあまり関心を持っていませんでした。

そうこうして使い込んでいくうちに、私の曲作りにおいて最も使用頻度が高いのが、KOMPLETEシリーズです。スタンダード楽器のサンプラーと多種多様なシンセとのバランスが取れていて、様々なジャンルの音楽に移行できる汎用性に優れています。中でもFM 8は本当によく使っています。

今度のKOMPLETE 10で使い込みたいなと思っているのは、「POLYPLEX」です。8パートのドラムサンプラーで、いわゆる普通のトリガーなのですが、プリセットを呼び出してエディットする前にランダム化することができます。つまり“即席”に独自のキットが出来ます。これをさらにエディットすれば、まったく新しいリズム・グルーヴを作り出すことができるのです。とてもシンプルで簡単、ドラムマシンのサブ・パートとして使えば、かなり独創的なリズム・セクションがそれほど時間をかけずに構築できると思うのです(BATTERY 4+POLYPLEXという使い方)。

KOMPLETEシリーズのシンセ&サンプラーは総じて、とても革新的です。頭では考えつかない音楽的構造をひょいとアウトプットしてくれて、それがヒントになったりします。どのソフトウェアを基礎(基幹)にして使うかによって、まったく表現性が変わるわけです。「変わる」というのと「変えていく」という面を瞬時にクリエイトすることができるのが、KOMPLETEシリーズの強みです。ハードウェアのシンセでは、“瞬時に”ということができません。

逆にKOMPLETEシリーズはサウンドが非常に高品位なので、これらでシーケンスしてしまうとサウンドをいじる余地がないのではないかと思ってしまいます。
しかしそれでも私は、これらを使ったレコーディング&ミキシングにおいて、サウンドの立体的な構造をいじる必要があると考えています。いわゆる一般的なプロモーション用の(派手で透明感のある)サウンドから抜け出すためには、様々なアプローチをしなければなりません。例えば、この派手で透明感のあるサウンドを、わざと甘く、モコモコとしたサウンドに作りかえたり。コンプをガチガチにかまして、立体感の乏しい硬い閉塞的なサウンドにしたりとか。

そういう意味では、あくまでKOMPLETEシリーズは、スッピン状態のサンプルに過ぎないのだということを思い返した上で、独自のサウンドを作り出す努力を怠ってはならないのだと、私は考えるわけです。

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