使い慣れたヘッドフォンとレコーディング&ミキシングの話

デジタル・クロックの第一歩の改善

TASCAM DA-3000(下の機材)
新たな曲作りに向けての、デジタル・レコーディング・システムのメンテナンスの一環で、デジタル・マスター・レコーダーの「TASCAM DA-3000」を導入しました。

大方、この機器を導入する目的というのは、2chのDSD録音、それからAD/DAコンバーターとしての役割の部分でしょう。もちろん私もそこに強い関心を持っていますが、導入の第一の目論見は、「ジッターの改善」にありました。

ジッター(jitter)とは“揺れ”のことです。あらかじめ決められた周波数(48kHzとか96kHz)によるデジタル・サンプリングのタイミングの精度(周波数を刻む精度)によって、録られた音を再生する変換時のタイミングと誤差が生じ、聴感上のノイズとなります。この誤差が大きければ大きいほど、ノイズもそれに比例します。

サンレコのゴウ・ホトダ氏のコラム
そもそも私がデジタル・クロックにおける制御や同期の問題、ジッターの影響について知ったのは、90年代半ばのことです。雑誌『SOUND & RECORDING MAGAZINE』(1996年12月号・リットーミュージック)のゴウ・ホトダ氏のコラム「世紀末に向けて」で、「デジタル・レコーディングに対する常識、そして観点(前編)」がその教示となり、その3ヵ月前の同コラムでも、「ハード・ディスク・レコーディングの功罪」というテーマでジッターの影響問題について述べられていました。ともかく私はそこで初めて、そういう概念を知ったのです。

2年ほど前、私は発振回路に関する実験で「SLEEPIN」という曲をやりました。学研の電子ブロックでコンデンサによるブロッキング発振回路を組み、それをリズムにしてみたのです。人間が手を叩いてリズムを刻むよりも不精確で、だんだんとタイミングがずれていきます。いかに水晶発振が精確に時を刻むかということが分かります。

DA-3000はTCXOの搭載で精度1ppmです。これは100万分の1の誤差になります。室内の常温では、もう少し誤差が小さくなるようです(電源を入れて10分以上経過すれば、クロック精度が安定するらしい!)。
尤も、水晶ではなくイリジウムだのなんだのに関しては、さらに誤差が小さくなるわけですが、機材としては大変高額になります。

とりあえず、当面においてはこのDA-3000の導入によって、そのクロック精度改善の第一歩を果たし、これまでより高音質でレコーディングをおこなっていくつもりです。

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