羊とグアナコ―その刹那の遊宴

Master EQ 432

最近はPro Tools上で使用するプラグインも固定化してきて、その種類や使い勝手に充足感を覚え、プラグインはこれ以上いらないなあという気分でいました。

ところが、これは使ってみたいと思えるプラグインを見つけました。
IK Multimediaの「Master EQ 432」。

IK Multimedia Master EQ 432
このプラグインのオリジナル・モデルは、Sontec MES 432 Parametric Disk Mastering EQで、マスタリング用EQの名機です。
2年ほど前、フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルのレコーディング・データをもとに、ニューヨークのとあるマスタリング・スタジオを調べていたところ、そのスタジオの写真でSontec MES 462C9を見ましたが、著名なマスタリング・スタジオではほとんどSontec MESが設置されているのではないかと思うほど、非常に有名かつ高価なEQです。

この伝説的なマスタリング用EQがついにプラグインになった、と知って、私は早速、試用で使ってみました。

シェルビングを含めたこの5バンドのパラメトリックEQはまさしくマスタリングのための仕様となっており、特に3バンドのピークEQは視覚的にも分かり易く、サウンドの補正を極限まで追い込んでいけるという点で、抜群の効果を発揮してくれます。

周波数帯域幅の切り替えスイッチ、ゲイン・レンジを3段階に切り替えることができるボタン、これらはサウンド補正の追い込み方の大きさを変える重要な要素ですが、私が気に入ったのは、これらのEQをステレオ・モードとミッド/サイド・モードに切り替えることができることです。

これまで、マスタリング用のトラックには、最後段のマキシマイザーの前にいろいろな種類のEQプラグインを挿して試してきましたが、サウンドが変わりすぎてしまうという問題がいつも起きていました。ほんの少し低域を重くしたいとか、ほんのちょっと中高域を抑えて柔らかくしたい、といった本当に微妙なニュアンスを変えたいだけなのに、EQのクセが強いせいもあって、それがなかなかうまくいきませんでした。

Master EQ 432はゲイン・レンジを小さくすることによって、微妙なさじ加減が可能です。ステレオ・モードとミッド/サイド・モードを駆使すれば、ミキシングで得られたサウンドをキープしつつもほんのわずか、ニュアンスを変えることができます。

マスタリングとは本来、最終フォーマットに落とす際の、サウンドの等価・補正が主目的であって、どうにも駄目になってしまったミックスをマスタリングで何とかしてくれ、的な意味の行程ではありません。
Master EQ 432は、そうした本来の意味のマスタリングをプラグインで実現してくれる、最良の選択肢かも知れません。

コメント

  1. こんにちは〜。
    他の方のインプレを見たくて検索してやってまいりました。
    これ、やはり良いですよね。
    まだお試しの段階で、現在一個買うと何か一個進呈+グループバイ中なので悩みこんでおります。

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  2. m Nyoroly様、コメントありがとうございます!
    そもそもSontecのマスタリングEQがプラグインとして存在すること自体、価値があると思うのですが、使い勝手はいいです。マスタリングではほとんどこのEQを挿して使ってます。

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