プチ・ソング「人間」の人間哀歌

44.1kHzの謎

2013年6月5日付朝日新聞朝刊文化面のコラムを読みました。

「こだわりの音を配信」のコラム記事
《「こだわりの音を配信」
音楽好きに話題の「ハイレゾ音源」ってなに?
名作や新作ライブ好評■CD退潮で注目》

普段あまり音楽に関心のない読者が、“ハイレゾ音源”?と言葉の響きに好奇心を抱いて、すらすらと記事を読んでもらうことで、現在のレコード産業の潮流をわずかに理解してもらえるという意味では、画期的なコラムでした。
私も前回、「酒を飲む醍醐味があるのと同じように、音楽を耳で聴く醍醐味」云々と書きましたが、それに類似して、コラムの中の音楽データについてのたとえが、

ハイレゾ配信→(ウイスキーの)樽出し
CD→瓶詰め
従来のネット配信→水割り

となっていたのはわかりやすくて面白い表現です。
ディスクのパッケージ商品を買わず、ネット配信による音源をダウンロードして購入、そして自分のミュージックプレーヤーにため込む、というのが主流となっている中で、音にこだわりを持つ愛好家がハイレゾ音源に触手を伸ばしてきている、と掻い摘まんで述べればそういう内容です。

さて、ここからは私の個人的な考えになるのですが、私自身はハイレゾ音源の配信には、あまり興味を持っていません。反対とか賛成とか、良い悪いの話ではなく、単にウイスキーの瓶詰め、つまりパッケージ商品であるCDが好きなだけです。仮に将来、ハイレゾ規格のディスク(CD-ROMやDVD-ROM)が主流になろうが何だろうが、私は今の現行のCD規格、すなわち16bit/44.1kHzが好きなのです。むしろこれこそが私のこだわりです。

普段からハイレゾ音源を嫌というほど扱っているので、それが高品位である、作業データとして相応しいことは明白です。現行CD規格と比べて音の違いは歴然です。

故に、16bit/44.1kHzが好きになりました。その数理の技術的な歴史状況はともかく、この規格を決定した人物もしくは委員会は、非常に包括的に、哲学的にとも思えるほど素晴らしい判断をしたと思います。

厳密に言えば、アナログテープから16bit/44.1kHzにデジタルコンバートした時の音、それからハイレゾから16bit/44.1kHzにダウンコンバートした時の音、が好き。

何故?と思うかも知れませんが、私自身も何故?と思いながら、その理由については明確な言葉にすることがなかなかできません。
ただ、謎めいた数理的な魅力がそこに在るのかも知れません。ではどういったからくりで、私にとって16bit/44.1kHzが魅力ある音に感じるのか――。

いずれこれについての答えが出せれば、出さなければならないと思っています。

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