「Zoo Bee Doo」―それは幸福のための未来への喜び

「みちのくアッハーンしぐれ」メイキング

[Dodidn*]及びSoundCloudではヴォーカル曲「みちのくアッハーンしぐれ」を公開しています。

この曲のメイキングについて、すべてのプロセスを明らかにするととんでもなく長い話になってしまうので、今回はMIDIファイルの処理のことだけにしておきます。

ホームページでも書きましたが、「みちのくアッハーンしぐれ」は1996年、小劇団・自己批判ショーさんのオリジナル演歌曲です。今回のリレコーディング(再録)のため、約17年間ひっそりと眠っていた「みちのくアッハーンしぐれ」のMIDIファイルを小菅氏に送ってもらい、それをチェックするところから制作が始まりました。

Cubase Artist 7で修復された「みちのく」のデータ
ファイルは、楽曲の完成形の状態ではなく、いくつかのパートのデータが欠落したものだったので、まずはすべてのパートを新たな音源に当てはめた上で、欠落したデータを埋めるべく、完成形のオリジナル曲を試聴しながら打ち直し、すべてのパートのデータを修復しました。ただ、パートによっては分解したり、ストリングスなどは違うアレンジを付加したりもしました。

送ってもらったMIDIファイルは、当時、小菅氏が使用されていたシーケンサー「YAMAHA QY-700」で打ち込んだファイルで、QY-700はXG音源というYAMAHA独自の音源が含まれていました。そのため、ドラムセットの中に含まれている一部のXG音源は、そのままでは再生できないので、それを楽器に準じたMIDIスタンダードの音源で再生できるよう、データ的に置き換える作業を行いました。

96年のオリジナル版「みちのくアッハーンしぐれ」は、QY-700の音源のみで編曲されたため、アナログ・レコーディングではやりやすかった面もありました。

YAMAHA QY-700
QY-700の音源(音源方式はAWM2)というのは、YAMAHAらしい派手さを嫌った音質となっており、どのパートもピーク成分が削られてフラットになっているような音でした。アンサンブルでもどこかのパートが目立ってしゃしゃり出ることがなく、ヴォーカルに対するオケとしては、特にイコライジングしなくても結果的にヴォーカルが前に出てくれたのです。

無論、今回はそんな都合良いことになりません。放っておけば、ブラスはうるさい、ピアノはガンガン鳴る、といった感じになり、まとまりがつかなくなります。ただし、EQ+コンプとパンニングの旨いやり方で、それがすんなり片付いてくれるのです。

一度制作した曲を、長い年月を経てリレコーディングする――。必ずしも良い結果が出るとは限りませんが、新鮮な心持ちになり、音源を差し替えることのメリットが、今回特に多くあって、あの曲の、強いては小菅氏のアレンジの細部まで引き出せたのではないかと思っています。

それとは別の感慨になりますが、私もあの懐かしいQY-700を引っ張り出してきて、QY-700サウンドをもう一度楽しみたいと画策している次第です。


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