プチ・ソング「人間」の人間哀歌

「Promissory Note」のこと

ホームページでリストアップした「Promissory Note」のテクストについて、いくつか補足したいと思います。

《まず24bit/48kHzでPro Tools(当時はLE版)に取り込まれ、歪みを与えるなどの加工が施された。その後、ROLAND VS-1824CDにいったんデジタル出力でコピーされる。そして倍音を付加するため、チューブ式のマイクプリDBX 386に通し、それを再びPro Toolsに戻して、サントラとして24bit/48kHzのマスターファイルが生成された》

2009年に制作されたこの曲の、以上のような処理の仕方は、いま振り返ると奇妙な感じがします。

3年ほど前までは、デジタルMTRはROLAND VS-1824CDを主体にしていました。この機のサウンドはあまり好ましく思っていなかったのだけれど、使い慣れていたということと、まだリミテッド・エディションのPro Tools(7?8?)に対して、サウンドとしてもバーチャル卓としても信頼をおいていない頃だったので、Pro Toolsはwavファイルを生成するための、簡便なテレコとして使っていました。

Adobe Premiere Proのタイムラインにサウンドを配置するためには、wavファイルが必要であり、もうこの時点で私は、ROLAND VS-1824CDのようなデジタルMTRの時代は終わったなと確信していました。

この制作後、Pro Tools(I/OはMBOX)だけでレコーディングからミキシングまでを行うテストを繰り返し、そのサウンドの素晴らしさ、バスの使い勝手やプラグインのなんたるかを知ったわけで、結論としてはROLAND VS-1824CDを通さない方が音が数段良かったのです。

Tenori-onは記録したMIDIデータを外部音源で演奏することもできますが、「Promissory Note」はその内部音源のみで演奏しています。ただ、深いディストーションがかかっているのでその内部音源のどれが使用されたか、今となっては分からず、またこの時のMIDIデータは現在残っていません。

Tenori-onがより革新的な電子楽器となるためには、YAMAHAがまったく別の独自音源を採用するべきであったことは否定できないと思いますが、コストの面も含めて言えば、Tenori-onが音源的に“無難”な路線で決着したことはむしろ良かったのではないかと思います。


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