TSAR-1の真価【其の二】

かつて「LEXICON 480L」というデジタルリバーブがありました。ミキサー卓に乗っけられたスライダー式のリモコンが印象的でしたが、TSAR-1のデザインはそれによく似ています。本体ではなく別個のリモコンをいじる感覚に近いです(TSAR-1の画像は【其の一】参照)。

しかしTSAR-1のスライダー式のパラメーターは良くできていて、見た目は簡易的でありながらも実際は複雑な調整ができてしまいます。

「ふじの山」で使用したプリセット“Modern Scoring Stage”のDENSITYは数値的には低密度なのですが、けっこうプレートリバーブに近い高い密度を感じます。このことからも、他のメーカーのリバーブでは決して得られない独特な「何か」があることは確かです。

ミキシングの仕上げは、プラグイン「NLS CHANNEL」を挿入して、SSLのサウンドに近づけました。

マスタリングを経たサウンドをスペクトロメーターで確認したところ、音程の動きに従って800Hz弱がポコポコと持ち上がり、それに伴って倍音もそれぞれ持ち上がるという、典型的かつ見事な周波数スペクトルが見られ、個人的には非常に楽しむことができました。

改めて聴いてみると、リコーダー――それも学校用の安価なもの――はけっこうふくよかな音色であり、これに演奏力が伴えば面白い楽器だなあという気がしました。
小学校時代の音楽室は校舎の3階にあり、空気の澄んだ日は遠くに白い綿帽子をかぶった富士山がくっきりと見ることができた…。そんな子供の目線で見ることのできた富士山を、「ふじの山」で思い出していただけたら、と思います。


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